トップページ
東京 -昭和の記憶-

 
タイトル

 

 北区十条というと、JRの駅があるにもかかわらず、東京のなかでもいま一つ知名度は高くない。いわば地味な町である。
 だが、十条駅前から北に通じる十条銀座の賑わい、中十条の富士神社あたりの不思議な空間、十条仲原の家々を見ながら歩いていると、ここは散歩には適した町だという印象を受ける。すでに本家の下町では消えかかっている下町情緒が、ここに残っているという気もする。
 十条ではたいして写真を撮っていたわけではないが、それでも自衛隊十条駐屯地と国鉄官舎の写真は、なかなか貴重ではないかと思っている。

*写真にポインタを置くかタップすると、同じ場所の2008年の写真が見られます。


陸上自衛隊十条駐屯地

十条台にある陸上自衛隊十条駐屯地。戦前(当時は王子区下十條)は東京第一陸軍造兵廠などがここにあった。
古い写真は、自衛隊の官舎に住んでいた友人宅のベランダから写したもの。
2004年現在、手前にある2棟の赤煉瓦の倉庫だけが壊されずに保存されている。

1977.12 (2004.12)


十条駅から、アーケードのある賑やかな十条銀座を抜けると、富士見銀座の商店街に続く。住所は十条仲原。 この商店街は、15年ほどの年月をあまり感じさせない雰囲気。街路灯の形が変化しているが。

1989.2 (2004.12)

富士見銀座

十条仲原3丁目

富士見銀座を抜け、環状7号線を渡ると十条仲原3丁目となる。
寿司屋は店を閉じてしまったようだ。

1989.2 (2004.12)


さらに十条仲原を北上すると、「冬の風がオレの心にしみるぜ」といいたげな、味のある親父とすれ違う。
だが、カメラの準備が間に合わず、足が切れてしまったのが残念。
正面左側に見える板壁の「鹿山電業社」は、2004年も健在だった。

1989.2 (2004.12)

十条仲原3丁目

十条仲原4丁目の国鉄官舎

十条仲原4丁目にあった木造の国鉄官舎。数棟はあったはずだが、この時点ではすでに、1棟しか残っていなかった。
すぐそばの線路は赤羽線(埼京線)、奥の高架橋は東北新幹線。

1989.2 (2004.12)


棟割長屋式の官舎で、1棟に6軒が入っていたようである。
これだけ立派な長屋は、すでに下町でもあまり見かけなくなっていた。

1989.2 (2004.12)

国鉄官舎

国鉄官舎

近寄ってよし、遠くから眺めてよしという風情。
現在、ここは清水谷公園となり、子どもたちの遊び場となっていた。
ここまで来れば赤羽は目と鼻の先。この近くの岩槻街道にも、つい最近まで古い町並みが残っていた。それについては、また次の機会に。

1989.2 (2004.12)

2004年12月作成

 

■トップページ | 「東京 -昭和の記憶-」表紙に戻る■

「定点写真でめぐる東京と日本の町並み」表紙 『定点写真でめぐる東京と日本の町並み』
(青春出版社)
1,550円+税
2019年10月発売!