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時刻表にない鉄道
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 さて、スノーシェッドを奥に行くと、本格的な炭鉱の雰囲気がただよってきた。
 さすがに、これ以上進むのはマズいかなという気がしてきた私である。
炭鉱の内部


スノーシェッドの中の線路  「石炭を満載した列車でもやってこないかな」と思いつつも、勝手に入り込んで何をしていると怒られるのも怖かった。そこで、いつでも逃げ出せる場所まで退却……いや転進。
 すると、トンネルの奥から何やら、レールの継ぎ目を渡るガタンゴトンという音がしてきたではないか。


「坑内から石炭を積んだ貨車でもきたのかな」
 そう思って目を向けると、小さな貨車がゆっくりとこちらのほうに向かってきた。だが、動いているのは小さなトロッコ1両である。
「……はて、なんだろう?」

 その次の瞬間、私はたまげてしまった。

材木を積んだトロッコも見える


トロッコを押すおばさん  なんと、2人の人間が人力でトロッコを押していたのである。
 しかも、その2人というのは、頬っかむりをしたおばさんであった。近所に住んでいるおばさんであろうか。
 茫然として立ちすくんでいる私のすぐ横を、おばさんとトロッコは、悠然と通り過ぎていったのである。


 あまりの光景にしばし興奮状態が続いたが、それも外の涼しい空気に触れるとようやく収まった。
 雑多なものが置かれたなかに、何やらわからない機械を積んだ(?)車両が置かれていた。
 後ろに見える高架橋は、現在のJR石勝線の線路。当時は、まだ未開通であった。
未開通の石勝線を望む


巻き上げ機らしき機械  近くの建物から轟音が聞こえるのが気になっていたので、そこもついでに覗いてみた。
 モーターのようなものが高速で回転している。何かの巻き上げ機なのだろうか。


 そして、炭鉱になくてはならないものの一つがこれ。炭鉱の安全を祈願するための神社。
 鳥居には、「坑口神社」と書かれている。
炭鉱の安全を祈願するための神社


   いまは、「楓」駅のあった夕張線(支線)は廃止となり、近代的な石勝線に生まれ変わった。「楓」という駅名は新線に残ったものの、2004年にはその駅も廃止されてしまう。
 いまでは、札幌と道東とを結ぶ新鋭の特急列車が、うなりを上げて通過するだけだ。
 だが、そんな場所に、1970年代の後半までこんな小さな炭鉱があったとは、知る人は少ないだろう。


 


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