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イタリア語の「ブォン・ジョルノ(Buon Giorno)」ということばは便利である。 |
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ところで、話は1985年、2度めのイタリア行きでのことである。 旅行もなかばを過ぎ、フィレンツェのレコード屋で、イタリアのポップスのレコードをしこたま買い込んだ。まだCDが普及していないころのこと。重いLPを10枚以上も持って旅行するわけにはいかず、郵便で日本に発送することに決めた。
中央郵便局の小包のカウンターは、なぜかほかの窓口から離れた小さな別室にある。そこは郵便局の裏口近くで、その裏口を出ると正面には小さな家が雑然と並んでいる一角がある。 |
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| ヒマそうなバールの主人が、道行く人びとを眺めている。知り合いを見つけると、「ブォンジョルノ」とか「チャオ」と声をかけるんだろう。 撮影 : 1981/11 Ferrara
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で、そのときもその店でレコードを梱包をしてもらい、そのまま郵便局の小包カウンターに向かったのであった。
窓口のおにいさんは、荷物を見てあれこれ言ってくるのだが、私にとって久しぶりのイタリア語だったうえに、すさまじい早口だったので、なかなか聞き取ることができなかった。なんとか意味がわかっても、こんどはうまく返事ができない。
とそのときである。部屋のすみから、私たちのやりとりを見つめる視線に気がついた。
まあ、それでも幸いになんとか話がついた。そして、小包の料金を払いながら、ほっとして彼のほうに顔を向けたのである。すると、彼はこちらをずっと見ていたらしく、目が合うとにこやかに言った。 |
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本文とは関係ないが、冬の北イタリア・モーデナの市内にて。 左上のポスターは、サーカスの出し物だろうか。大砲から人間が飛び出すというやつらしい。 撮影 : 1981/12 Modena |
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あまりのことに私は茫然として、返事もできず、しばしその場に立ちつくすしかなかった。フィレンツェに住む日本人の話でも聞こうかと思っていたのだが、そんな気は吹き飛んでしまっていた。 | |
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